騒音調査をプロに依頼
以下の記事で、自身が保有しているアパートで騒音迷惑行為が発生していることとその実態が実際にあることが確認でき、その後の対策検討を行っているところでした。
今回の記事も、同じ立場の大家さんや管理会社の方にお役にたてば嬉しい限りです。
今回は、検討した結果、まず最初に行った騒音調査会社での調査・対応結果を書いていきます。
騒音調査会社に相談
相談先リサーチ
保有アパートに騒音迷惑行為の実態があることがわかってから、騒音調査会社や弁護士、司法書士などで、騒音迷惑行為者の総合的な対応をしてくれる会社や事務所を探しました。
しかし、当然のことではあるのですが、『総合的に』対応してくれるような会社は殆どありません。対応してくれる司法書士を見つけても対応エリア外という状況でした。
当然、弁護士は明渡訴訟や強制執行についてのみの対応で、司法書士は訴訟はできず、その前段階の交渉や各種手続きの補佐的な役割のみ。騒音調査会社は騒音調査のみと、どこも、役割を明確に分けており、総合的な対応が期待できる会社は殆どありません。
また、騒音会社に関しては、いくつか問い合わせをしてみたものの、集合住宅に関する個人オーナーの仕事を受ける会社自体がとても少なく、ウェブサイトで集合住宅の騒音トラブルの専門家を謳っていながら、連絡すると『騒音調査の機材貸出しかしていません』という会社もありました。
また、騒音トラブルを専門で取り扱っている弁護士事務所にも相談してみましたが、かなり悪質なため、まずは警察にご連絡されたほうが良いのではないかと請け負ってくれなかったりと散々でした。
騒音調査会社にとって、個人の案件は労力の割にお金になりにくいため、殆どが、大手建築会社が工事現場で規定の騒音レベルを超えていないことを証明するための調査などを請け負っているようでした。
ついに見つかった騒音調査の依頼先
諦めずにリサーチを続けると、1社だけ、いわゆる『騒音トラブルお任せください』系の会社を見つけました。対応エリアも該当しており、早速問い合わせフォームから連絡したところ、しばらくして電話の連絡がありました。
状況を説明したところ、お任せくださいとの回答で大変心強かったことを覚えています。
そして、騒音調査に関する概算のお見積りをいただきました。
対応内容にもよりますが、ざっくりと調査と報告書提出で10-20万ほどで交通費や諸費用も込みとのこと。
ただ、騒音は定期的に起こっているわけではなく不定期に発生するものなので、大まかな発生時期や発生時間帯をおさえた上で現地で調査を行い、騒音遭遇率を上げたいとのことで、調査前に現入居者に実態のヒアリングを行うことになりました。
騒音迷惑行為実態のヒアリング実施
アンケートによるヒアリング調査
ヒアリングを行うために、アンケート用紙を作成し、実態が把握できるような質問項目を設けました。
これを、騒音迷惑行為の発生元以外の部屋に返信用封筒と一緒に投函し、回答してもらうことにしました。
管理会社には事前に相談し、ポスト投函と回収したアンケート用紙をメールで送っていただけるよう協力をお願いしました。
アンケートを実施した結果、騒音が早朝と夜に不定期に発生していることがわかりました。
また、そのアンケートの中には、
- 単身用の部屋にもかかわらず、複数名で生活している
- 騒音は何年も前から継続的に行われている
- もう限界なので私も出ていく
というような、コメントと
- 調査に着手していただきありがとうございます
というお礼のコメントがあり、なんとも言えない気持ちになりました。
中には既に諦めているのか、アンケートにすら答えてくれないご入居者様もいました。
さらに退去は続きます
実際に調査を始める直前に、さらに2部屋のご入居者が退去されました。
そのうちの1部屋は、アンケートで『私も出ていく』と記載された方でした。
調査(測定計測・記録・録音)方針の決定と正式な金額決定
大まかな騒音発生時間帯がわかったことから、騒音調査会社に情報を共有し、調査の日程を決めました。
騒音調査は2時間。騒音調査人員が張り付いて、騒音計を利用して騒音調査(測定計測・記録のみで録音は行わない)を実施するとのことで、騒音調査は、騒音元の直下の階(103号室)で実施することにしました。
しかし、このとき、心のモヤモヤが残っており、不定期に発生する騒音に対して、スポットでたった2時間だけ騒音調査をして騒音の証拠が記録できるのか?
騒音に遭遇するのか?
その2時間の間に騒音が発生しなかったら騒音調査は終わり、騒音なしという結果になってしまうのか?
と思いながら、まずは騒音調査を実施してみなければ何も話が進まないし、状況の進展もないと覚悟を決めて、騒音調査会社に騒音調査を依頼しました。
金額は、2時間の騒音調査と騒音調査結果報告(報告書形式で測定計測・記録・録音などの生データはなし)で18万円(交通費・諸経費込み)でした。
騒音調査の実施
騒音調査会社からの説明
心にモヤモヤを残しながら、それなりの金額での発注を決断した後、騒音調査会社と何度か電話で打ち合わせを行い、騒音調査の日程と時間帯を決定しました。
騒音調査時間帯は、19:00~21:00の間になりました。
(騒音発生時間帯とずれてるやんと思いつつ・・・)
早朝、深夜の場合、公共交通機関が使えず、宿泊先などの手配も必要で別途費用が発生するとのこと。
騒音調査当日は騒音調査の30分前に現地に集合し、どのように騒音調査を進めるかの説明と、騒音の証拠が取れた後の対応についての説明でした。
(心の中で、自分で対応しないために業務を委託したのに、結局現地に行く必要があるんかい・・・と、面倒くさいオーラ爆発していました)
騒音調査後の対応についての説明では、騒音測定計測結果と騒音調査報告書などの騒音の証拠があることを前提にして、内容証明郵便で騒音の差止請求と騒音調査費用の請求を行うことで、一般的な人であれば、自主退去に向かう可能性が高いというものでした。
心のなかでは
この話を聞いた時、正直なところ、以下の2点が心の感想でした。
- この騒音調査時間帯と騒音調査時間では正直証拠を記録するのは難しいだろう
- 騒音迷惑行為の証拠を記録できたとしても、内容証明郵便程度ではこの入居者は退去しないだろう
まず、騒音調査の時間帯については、アンケートでヒアリングして把握した騒音発生時間帯とずれており、また、騒音の発生自体も不定期であるため、スポットで2時間の騒音調査をしてもその時間で騒音が発生する可能性は限りなく低いと思いました。
自主退去しないと思ったのは、既に何年も騒音迷惑行為を継続している状況から、当然近隣の住民からも注意されたり、警察沙汰になったりもしているであろうと容易に予想がつきますが、それでもここに住み続けているという事実から、強制的な力が働かない限りは退去はしないのだろうと思いました。
なお、警察沙汰には実際になっています。
それでも、騒音会社に依頼する決断をしたのは、どちらに転んでもこの騒音迷惑行為に終止符を打つ覚悟を決めたからです。
騒音調査会社の言う通りに、騒音迷惑行為の証拠が取れて自主退去に向かえばそれでよし。
そうならなかった場合においても、騒音調査の手法や後々裁判で証拠として有効な調査方法や報告書の作り方がわかるため、騒音調査会社の対応結果を例に、自ら騒音調査(測定計測・記録・録音)を行うことも視野に入れていました。
そう。
私はプログラマー。
騒音調査用のアプリ・ソフトウェアを構築することができる技術を持っているのです。
騒音調査の結果
騒音調査の結果は期待どおりに残念
騒音調査の結果、調査対象の2時間では騒音は発生せず、騒音の測定・計測・記録はできませんでした。
予想通りではありますが、残念でもありました。
騒音調査会社からは騒音調査の結果報告書の形で対応結果を納品いただきました。
さらに、今回の騒音調査で騒音実態を記録に納めることができなかったため、格安で追加騒音調査の提案を受けました。
提案自体はたしかに割安でありがたいものでしたが、今回の騒音実態を記録に納めるためには、最低でも1週間は現地に張り付かないと確実性がないと考えていました。
1週間も人員を配置すると、人件費だけでかなりの費用になってしまいますので、騒音調査会社には対応方針を改めると説明してお断りしました。
ここで、騒音調査会社に追加費用を払うよりは、同じ費用を騒音調査機器類の購入にあてて、騒音測定・計測・記録・録音や対策のノウハウを蓄積し、今後の賃貸経営に活かすほうが良いと判断したためです。
騒音調査会社の対応結果まとめ
騒音迷惑行為はとても解決しにくい問題です。
それにはいろいろな事情や仕組みが絡み合っていることが今回の体験で把握できました。
- 根本解決をするために総合的に支援してくれるような機関・会社がない
- 騒音迷惑行為の解決は労多くして益少し(ビジネスになりにくい)
- 騒音調査・測定・計測・記録と言っても人が張り付くため費用対効果が低いし悪い
- 騒音は受け取る側の主観により苦情に繋がり、客観的に判断しにくい
- 借地借家法により迷惑入居者は過剰に守られている
次回の記事では、今回の騒音調査の結果を受けて、プログラマー大家の本職能力を発動し、自分自身で調査を進める内容を書いていきたいと思います。
コメント